全3回連載|第3回 高齢オーナーの賃貸経営を守るために 。「何があってから」では遅い。賃貸経営を止めないために今できること
これまで2回にわたり、シニアサポートプランが生まれた背景についてお話ししてきました。
最終回では、
「結局、何に備えればよいのか。そして、シニアサポートプランでは何をしてくれるのか。」
について具体的にお話しします。
認知症は「介護」だけの問題ではありません
不動産オーナー様にとって、認知症への備えが重要なのには理由があります。
賃貸経営には、さまざまな意思決定が必要だからです。
修繕をする。
管理契約を結ぶ。
建替えを検討する。
必要に応じて不動産を売却する。
将来の資産承継を考える。
こうした場面では、オーナー様ご本人の判断能力が重要になります。
判断能力が十分でなくなってから対策を考えようとしても、選択肢は限られてきます。
そこで選択肢の一つになるのが、家族信託です。
家族信託は「相続対策」だけではありません
高齢の不動産オーナー様にとって重要なのは、
将来、自分自身で財産管理が難しくなった場合に備え、元気なうちに財産管理の方法を決めておけること
です。
信頼できる人に賃貸不動産の管理などを託す方法を検討できます。
ご家族がいらっしゃる場合には、将来の資産承継まで含めて考えることもできます。
独居だから関係がない、ということでもありません。
重要なのは家族信託を利用すること自体ではなく、
「自分が判断できなくなった時、大切な資産を誰に、どのように託したいのか」
を、判断能力が十分なうちに考えておくことです。
成年後見制度が必要になってからでは、選択肢が変わります
認知症などによって判断能力が低下し、財産管理が難しくなった場合には、成年後見制度が必要になることがあります。
成年後見人等を最終的に選任するのは家庭裁判所です。
本人やご家族が希望した人が必ず選ばれるとは限りません。
成年後見制度は本人の財産を保護するための重要な制度ですが、財産は原則として本人の利益のために管理されます。
そのため、元気な時に本人やご家族が考えていた資産活用や承継を、そのまま自由に行えるとは限りません。
専門職が成年後見人等に選任された場合には、家庭裁判所が定める報酬が本人の財産から継続的に支払われることになります。
成年後見制度は途中でやめることもできません。
重要なのは、
自分自身で選択できる時期に、将来について考えておくことです。
しかし、家族信託だけでも解決しません
家族信託を利用しても、身体機能の低下がなくなるわけではありません。
介護が必要になれば、介護の支援が必要です。
入院すれば、必要に応じて医療機関との連携も必要になります。
一方、介護サービスを利用していても、認知症による財産管理の問題が解決するわけではありません。
そして、その間にも、
賃貸経営は続いています。
だから私たちは、
賃貸管理・財産保全・介護支援を、一つの問題として考える
ことにしました。
では、シニアサポートプランでは何をするのか
シニアサポートプランは、高齢オーナー様の状況に応じて、
「賃貸管理」「財産保全」「介護・生活支援」を一つの窓口で考えるサービスです。
賃貸管理
入居者募集から契約、家賃管理、入居者対応、建物管理、修繕対応など、賃貸管理業務全般を当社が担います。 日常の管理業務を一貫してお任せいただくことで、オーナー様の負担を軽減するとともに、急な入院などがあった場合にも、賃貸経営を継続できる管理体制を整えます。
財産保全・資産承継
認知症による資産凍結などに備え、家族信託・任意後見などの選択肢を整理します。必要に応じて、税理士・弁護士・司法書士などの専門職をご紹介します。
介護・生活支援
必要に応じて、介護保険申請、地域包括支援センターやケアマネジャーとの連携、サービス担当者会議(ケアプラン作成に必要な会議)への参加などを支援します。
入院時
必要に応じて担当医やソーシャルワーカーなどと連携し、退院後の生活についても一緒に考えます。
重要なのは、
すべてを利用する必要はない
ということです。
独居なのか。
ご家族がいるのか。
身体機能に不安があるのか。
認知症への備えを優先するのか。
現在の賃貸管理に問題があるのか。
状況を確認したうえで、その方に必要な支援を組み合わせます。
シニアサポートプランの費用
当社に一棟物件等の賃貸管理をお任せいただいたオーナー様については、シニアサポートプランの基本的な支援を集金代行管理委託料4.4%(税込)に含めています。
別途費用が必要となる主なケースは、
専門職に家族信託等の設計・手続きを依頼する場合の専門職報酬や、通常の支援範囲を超える遠方への病院訪問などです。
また、家族信託についてのご相談や、設計を行う専門職のご紹介は、管理戸数にかかわらずご相談いただけます。


こんな方は、一度ご相談ください
「家族信託をしたい」「介護サービスを利用したい」と決まっている必要はありません。
むしろ、
「何を準備すればよいか分からない」
という段階でご相談いただければと思います。
90歳のオーナー様を訪問した時、私の目的は賃貸管理のご提案でした。
しかし、その方の状況を知るにつれ、物件を管理するだけでは解決できない問題が見えてきました。
そこから生まれたのが、シニアサポートプランです。
私たちが目指しているのは、家族信託を販売することでも、介護サービスを紹介することでもありません。
高齢オーナー様の賃貸経営を守ること。
そして、
ご本人の意思をできる限り尊重しながら、大切な資産を守ること。
ご家族がいらっしゃる場合には、その備えがご家族の安心にもつながります。
これまで管理会社が主に見てきたのは「物件」でした。
これからは、物件だけでなく、その物件を所有するオーナー様ご本人まで見ていく。
私たちは、そんな「高齢オーナーの賃貸経営を守る専門チーム」を目指しています。
まずは、現在の賃貸経営とこれからについて、一緒に整理するところから始めてみませんか。
第1回 90歳・独居オーナーとの出会いから始まった、新しい賃貸管理のかたち/
第2回 不動産と介護。まったく異なる経験が、なぜ一つにつながったのか
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