2026年不動産市場の転換点〜新築減少の中古市場の活性化〜
全国の不動産市場は、大きな転換点を迎えています。足元では取引件数が増加しており、戸建は232,575件(前年220,301件)、マンションは234,545件(前年224,840件)、一棟アパート・マンションも40,008件(前年37,839件)と、いずれも前年を上回りました。
実需・投資需要ともに底堅く、不動産への関心は引き続き高い状況です。特に一棟アパート・マンションでは、購入者の約70%が法人となっており、資産管理法人や事業法人、宅建業者による取得が増加しています。
インフレや金融環境の変化を背景に、不動産を資産防衛や事業戦略の一部として捉える動きが強まっていると言えます。
一方で、供給面では対照的な動きが見られます。
2025年の統計では、新築住宅は全体で74万戸(前年79万戸)、賃貸住宅は32万戸(前年34万戸)と減少しており、想定以上のペースで新築供給が絞られています。
特に新築住宅74万戸という水準は、野村総合研究所が過去に2030年頃の水準として予測していた数字であり、供給減少が5年ほど前倒しで進んでいるとも言えます。
背景には、人口減少に加え、建築資材価格の高騰、人件費の上昇、建設業界の人手不足があります。
さらに国際情勢の影響により、エネルギー価格や原材料価格が上昇すれば、建築コストはさらに高まり、新築供給の減少が進む可能性もあります。
新築が少なくなり価格が高止まりすると、購入希望者の一部は中古住宅や中古マンションへ流れます。
その結果、立地や管理状態の良い中古物件に需要が集中し、価格が上がりやすくなります。
既に人気エリアでは中古マンション価格の上昇や新築マンションの希少性が見られており、東京23区でも2026年に入ってから価格上昇の傾向が続いています。
ただし、すべての不動産が一律に上がるわけではありません。
市場全体としては強いものの、エリアや物件特性によっては前年を下回るケースもあり、「全体は強いが、個別では選別が進む」段階に入っています。
今後は、単に市場全体のトレンドを見るだけでなく、エリアごとの人口動態、賃貸需要、再開発計画、周辺相場、競合物件、修繕費や工事費の見通しなどを総合的に判断する必要があります。
特に工事費の高騰は収益性に直結するため、設備投資や修繕にかけた費用を、家賃上昇や入居率改善で回収できるかを慎重に見極めることが重要です。
また、「いま売るべきか、保有すべきか」という判断もこれまで以上に重要です。
今後さらに希少性が増す物件もあれば、修繕負担が大きく、賃料上昇が見込みにくい物件もあります。物件ごとの収益性と将来性を見極める力が、賃貸経営や不動産投資の成果を左右します。
2026年の不動産市場は、取引需要の強さと新築供給の減少が同時に進む転換期にあります。
この流れは、人気エリアや管理状態の良い物件にとっては追い風となる一方、すべての物件が同じように評価されるわけではありません。
これからは、市場全体の動きだけでなく、自身の保有物件がその中でどの位置にあるのかを把握することが重要です。
売却、保有、追加投資、賃料改定といった判断を先送りにせず、数字と現場の両面から検討していくことが、これからの賃貸経営・不動産投資において大きな差につながります。
郵宣企画では、オーナー様の賃貸経営に役立つ情報提供を行っております。
不動産の投資判断、保有物件の見直し、賃料改定、修繕計画などでお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
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