家族信託で賃貸経営を止めない仕組みづくり
「認知症になっても、家族がどうにかしてくれる」
そう考えていたオーナー様が、判断能力を失った途端に賃貸経営が完全に止まってしまう。
現場では、このようなケースを数多く見てきました。
成年後見制度は、あくまでも財産保全を目的とした“守りの制度”です。
投資判断や相続対策など、積極的な運用が前提となる賃貸経営とは、本質的に相性の良い制度とはいえません。
例えば、築30年アパートの外壁が劣化し、早急な修繕が必要だったにもかかわらず、後見人が「高額で資産が減る」という理由で工事を認めなかったケースがあります。後見制度の趣旨からすれば妥当な判断ですが、その結果外壁の剝離が進行し、
と、経営上は大きな損失につながりました。
さらに深刻なのは「日々の賃貸管理」が止まってしまう点です。
退去精算・契約締結・工事発注・保険更新など、オーナーの最終判断を要する場面は非常に多く、判断能力を失うだけで「誰も契約にサインできない」状態が発生します。
実際には、オーナーが急な体調悪化で判断力を失い、退去日が迫るのに精算ができず、入居者から強いクレームが入った例もあります。
また、相続税対策のために売却を検討していた物件も、後見開始後は後見人の方針で一切動かせなくなり、半年以上足止めになったケースも珍しくありません。
市場は日々変動するため、この“動けない期間”が大きな損失を生みます。
後見制度は否定すべきものではありませんが、賃貸経営においては制度上の限界があるというのが現実です。
家族信託は、オーナー様が元気なうちに信頼できる家族へ、不動産の管理・運用・処分の権限を託す仕組みです。
後見制度との最大の違いは、オーナーの意向に沿って積極的な判断を迅速に実行できる点にあります。
例えば、
なども、契約に権限を盛り込んでおけば家族がそのまま実行できます。
後見制度では止められる内容でも、家族信託なら権限を事前に渡すことで、オーナーの方針をそのまま未来へ引き継げます。
日常の賃貸管理も止まりません。
といった業務を、受託者(管理を任された家族)がスムーズに判断できます。
管理会社も「受託者の判断で処理」できるため、現場対応が早くなり、後見制度にありがちな
といったトラブルを避けられます。
また家族信託には、家族間の揉め事を予防する効果もあります。
兄弟が複数いるご家庭では、
という点で必ず意見が割れます。
実際、兄弟3人が半年以上結論を出せず、経営が完全にストップした例もあります。
家族信託では、
が最初から契約で明確に決まるため、こうした混乱を防ぐことができます。
■ただし、家族信託は設計がすべて
制度そのものは非常に有効ですが、設計ミスによる失敗も少なくありません。
家族信託で最も重要なのは、オーナーの目的に合った設計ができているかどうかです。
■賃貸オーナーにとっての結論とご相談のご案内
家族信託は、認知症や判断能力低下があっても、賃貸経営を止めずに継続するための実務的な仕組みです。
後見制度は財産保護を目的とするため、スピードと柔軟性が求められる賃貸経営には制約が大きく、その結果、
に重大な影響が生じます。
一方で家族信託は、オーナー様の意向をそのまま家族が引き継いで経営を続けられるため、賃貸経営とは非常に相性がよい制度です。
特に複数物件を持つオーナー様や、相続対策を検討している方にとっては、早めの準備が大きな差を生みます。
賃貸経営が止まってからでは、解決に大きな負担とコストを伴います。
「今のうちに準備したい」「家族と一度話し合いたい」
そんな方は、ぜひお気軽にご相談ください。
オーナー様の状況にあわせ、最適な仕組みづくりを丁寧にサポートいたします。
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